嫁とイヌ2匹で3LDKの貸家に住んでいたころの話です。
駐車場・庭付きなので家賃が高く
家や周辺環境には不満はないのだが
子供が居ないとはいえ、今の給料では生活が苦しい
賃貸で住み続けるよりは買ってしまおうと家を探しているのですが、なかなか「コレだ!」っとならない
昔から自分の家が欲しかったのでマンションではなく一戸建てに絞って探し始め
いくつか建て売りを見て回ったけどピンと来るものがなかなか無く
実家を建て替えてそこに住もうと奔走するも、しがらみの壁にぶち当たって結局断念
毎週 日曜日を費やして奮闘することかれこれ3ヶ月ほど
精神的にもかなり疲れてきたがまたゼロからのスタートに
「土地をまず買って、建物を好きなように建てよう!」をコンセプトに今度は土地探し開始
いくつか見て回ったところで
先日、荒川区の町屋で良い土地が見つかった
駅前は店も多く賑やかで楽しそうだし、家は少し離れて静かだし、
近所に大きな公園もスーパーも学校もあって住みやすそう!
嫁も「ここにしようか!」と同じ意見だったので「決めました!」と即答。
「では契約書類を作成します。手付け金を用意して20時にまた来て下さい」との事。
コンビニでありったけの残額を降ろし、ダイソーで契約用にハンコを買い、嫁と二人で晩飯食いながら時間を潰す
「しばらく家計が厳しくなるね」「引っ越しはどうしようか」なんて話しながら
これから一生その場所で暮らすのかと思うと、とても不思議な感じがする
ドキドキわくわくもするし
ちょっとだけ ここで良いのかな?とも思う。
でもきっと そんなもんなんだろう とも思う。
なんだか「巨額の衝動買い」をする気分
いろんな気持ちを消化しながら、19時半頃 不動産やへ契約に向かう。
さあ契約だ!というその直前。今の家を借りてる不動産やから嫁の携帯に電話が
「あのー、今お借り頂いている一軒家ですが、*****万円でしたら
オーナーに売ってもらう様に交渉出来そうですがいかがでしょうか」
「え!?ちょっとすぐかけ直します!」と嫁が慌てて電話を切る。
「今住んでる家買えるみたいだけどどうしよう!?」
「マジか!?」
「しかも中古だから結構安い!」
「いやー、そうきたか。」
さっきまでドキドキとか不安とかいろんな感情をようやく消化し、「ここに一生住むんだな」と心が決まった矢先、今の家が買えるかもしれないとの連絡。
契約の待ち合わせ時間はもうすぐ
手には100円で買ったハンコと多額の手付け金
「どうしよう??でも今決めないとだね。」
ものすごくドラマチックな展開
そして、
「うーん、よし!断ろう!」
「どっちを?」
「町屋の土地! 謝って今日の話しは無かったことにしてもらおう」
契約取れた気まんまんだったであろう不動産屋に謝って
嫁の親に反対されたのなんだのと二人で必死に嘘のいいわけを並べ立て
同じく契約する気で、すでに呼んでしまった土地のオーナーさんにも謝って帰ってもらい
とりあえず契約を断り切って車で自宅へ
「なんだかドタバタだったな」
「疲れたけどなんか楽しかったね」
「あの電話が あと少し遅かったら町屋に住んでたな」
「うん、奇跡のタイミングだったね」
「でも、これで今の家が買えたら、きっと縁があったってことなんだろうな」
いろいろあるけど
きっと人生のターニングポイントを通過した瞬間だったんだろうな。
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