栃木県に単身赴任していたころの話
当時はは建築から少し離れて
河川に橋を架ける仕事をしていた
都会から離れて栃木の芳賀町という自然たっぷりの環境で
毎日川を眺めながらの生活
先週から田んぼに水引を始めるために水門を締め上げて川の水位がグンと上がってきている。広大な田んぼに水がすーっと広がって行くのはとても気持ちがよくいつまでもぼーっと見てしまう
川の水位が上がった事で
普段よりゴミが多く流れてくる
一番多いのはペットボトルで、他にもビニールや発砲スチロールなんかが
よく流れてくる
残念な事だけれど人が生活しているとあるていどは仕方がないのだろう
そんなある日
ゴミと一緒に違和感のあるものが流れて来た
あれ?と思いよく見てみるとそれは人の手の形をしている
とっさに「子供が溺れて川に流されたんだ」と思いその手を掴んで
引き上げた。
すると感触はとても軽く、引き上げた手はヒジまでしかなかった。
なんと少し上流で起こったバラバラ殺人の一部を偶然発見してしまった。
すぐに警察と同時に地元のTV局や新聞社の取材が集まった
本当にすごい早さで来るんだなと感心すると同時に発見者としてのインタビューを求められる。「はじめは子供が溺れているのかと思って~」とたんたんと説明する
午後になると取材陣は増え、東京のTV局も集まって来た
繰り返すインタビューでだんだんと説明が上手くなって行くのを感じているなか、ふいに「ここは栃木なんだから標準語ではなく栃木弁の方がいいのかもしれない」と思い
「はずめは子供だと思ったっけ~、したら手さ引っ張ったらヒジから先がねんだ~」と自分なりの栃木弁で説明。
TV局の人はおれがどこの人かなんて知らないからそのまま全国で放送
しかし首から下しか写らないからそんなに問題は無く、よく知る友達からは「あれ松崎だろ、なんだよあの話し方はー」みたいな感じで笑い話にしていた
しかし数日後
会社の上司によばれ、「先日のインタビューについてTV局や遺族の方から説明を求められている」との事
ちょっとしたサービス精神から出た言葉ですとは説明できず
「栃木で仕事さしてたら、言葉もすんがりこっちのがうずってしまって~」
と自称栃木弁で弁解。
マスコミから「不謹慎だ!」とのバッシングをうけながらも引くに引けず、上司からも「押し通すしか無い!」との命令で嘘栃木弁での生活を強いられる事になった。
という夢で目覚めて、ひとり笑いが止まらなかった。
孤独すぎて頭壊れて来たのかなー
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